[メイン5]
:
―――もしもこの世界でただ一人『勝ち残る』ことができた者に……
あらゆる願いを叶える力を『与える』……
[メイン5] サーレー : …………
[メイン5]
サーレー :
ぱっと目を開ければ
こんな穴だらけの服じゃあ寒すぎるぐらいの夜景が広がっていた……
[メイン5]
サーレー :
…………オイオイオイ
マジに言ってんのか? オレは自分の頭を軽く小突く
[メイン5] サーレー : 出鱈目
[メイン5] サーレー : ……の一言で片づけられねえなァ~~……
[メイン5]
サーレー :
この目を開ける瞬間ッ!!
頭ん中に直接入り込んだあの声はッ!! オレに疑いの余地すら与えない「説得力」があったッ!!
[メイン5]
サーレー :
根拠はねェー……はずなんだが
それでもマジに信じたい気持ちの方が圧倒的に勝ったッ!!
[メイン5]
サーレー :
この世界でただ一人勝ち残った者は……あらゆる願いを叶えられる……
なんてバカバカしいがロマンはある……そんな戯言に過ぎないはずの声がッ!! 今のオレをどうしても奮い立たせるッ!!
[メイン5] サーレー : 「ええ! 希望とやる気がムンムンわいてくるじゃあねーかッ! おいッ!」
[メイン5]
サーレー :
そこら辺に転がってる石でも何でも
オレは掴んで……宙に掲げ……
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』!」
[メイン5]
サーレー :
石は宙で「固定」された……スタンドの能力も存分に振るえるようだなァー
しかも本調子ってやつだ……負ける気がしねェー
[メイン5]
サーレー :
オレは「固定」した石を踏み台に
高所へと上がる。……こりゃ虱潰しでも骨が折れるなァ~おい
[メイン5] サーレー :
[メイン5]
戦術重装兵 :
「…風速、確認…目標は上空の人型存在」
ブツブツと、レシーバーに呟く
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「確認、通常ボルト装填」
クロスボウの照準を、空に浮かぶ男に向ける
[メイン5] 戦術射撃兵 : そして、パシンと乾いた音と共に
[メイン5] 戦術射撃兵 : 鋭い矢が素早く飛んでいく
[メイン5] サーレー : 1d100<=50 (1D100<=50) > 55 > 失敗
[メイン5] サーレー : 「……!?」
[メイン5] サーレー : 「何ィ~~~!!!」
[メイン5] サーレー : 肩肉を抉りかけたそれは……矢……『攻撃』ッ!!
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「次弾装填」
倒し切れたか確認しつつ、クロスボウの弦を巻き上げる
[メイン5] 戦術重装兵 : 「命中していない、次射叩き込んでやれ」
[メイン5]
サーレー :
すでに『戦い』は始まってるってコトかよォー……
へへっ まぁそこは観光気分にでもなってたオレが甘ェ~~~
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「サーイェッサー…」
もう一度クロスボウを、男に向けていく…
[メイン5] 戦術射撃兵 : そして、乾いた破裂音を伴って矢を更に射出させた
[メイン5]
サーレー :
しかし……今度は余裕しゃくしゃくと躱すことができるにしてもよォ~~~
……敵にけん制するのは……基本中の基本、だよなァ~~~!!
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』! 防御しろッ!」
[メイン5] サーレー : こちらに向かって射出された矢を『固定』し
[メイン5] サーレー : その矢を踏み台にしてみせる。
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「矢が命中…していないな」
[メイン5]
戦術重装兵 :
「それどころか、"矢"に乗っている…?」
そのあり得ない光景に、兵士たちは困惑するが
[メイン5]
サーレー :
……初めて試すが……こういうのもやれるもんだなァ~~~
んじゃあ……もう石も持ってねえし ここから落ちれば真っ逆さまだ
[メイン5] サーレー : だが「固定」できるものはまだあるんだな……これがよォー
[メイン5]
戦術重装兵 :
「矢は逆効果か、攻勢を変えるぞ」
[メイン5]
サーレー :
オレは宙に向かって、足を出すと
靴を「固定」し、宙に立ってみせる。
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「サーイェッサー!」
男の行動に注視しつつ、陣形を変えている
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「…!」
[メイン5] サーレー : やれるじゃねェかよ~~~……空中で歩く事も!
[メイン5] 戦術重装兵 : 「手品じゃない、な!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「…撃ち落とせるか?」
[メイン5]
サーレー :
が……犬の散歩ぐれェーの速さじゃないと安定はしないな
敵は……どうやら兵隊のようだ。重火器も、もちろん奴さんに備え付けだ。
[メイン5] 戦術重装兵 : 男は通信器から、増援を呼び寄せる
[メイン5] 戦術重装兵 : それは陸ではない、静かなプロペラ音を響かせて…
[メイン5] 破片 : 火器を備えたドローンが戦域に飛び込んでくる
[メイン5]
サーレー :
オイオイオイ……なんだありゃあ?
近未来にでも来たのかオレはよォ~
[メイン5] サーレー : が……
[メイン5] : ・・・
[メイン5] サーレー : こいつがいるから……問題は無ェー
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「"破片"の攻撃目標をセット」
レーザーポインターで、空に居る男に狙いをすませる
[メイン5] 破片 : ドローンはグッと上昇し、サーレーの周辺に揺蕩いながら
[メイン5] 破片 : 下部に備えた砲口を向けている
[メイン5] サーレー : 「……オイオイ また撃つ気かァ~~? ……やってみろッ!!!」
[メイン5] 破片 : 炸薬を弾かせて、今度は矢ではなく
[メイン5] 破片 : 掌より少し小さい榴弾がサーレーに向かって飛んでいく
[メイン5] サーレー : 「うおおおッ!!! 『榴弾』……なぁ~んて……矢じゃなけりゃァー……通じると思ったかよォ~~~」
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』!」
[メイン5] サーレー : 榴弾でさえも全て―――
[メイン5] サーレー : その場に『固定』するッ!!!
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「射撃は殆ど効いていないぞ!?」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「インファイトに持ち込むには遠いしな、ともなれば」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「物量で圧すしかあるまい、再度攻撃だ!」
[メイン5] 破片 : ガチャガチャと、ベルト給弾を行い何度も榴弾を叩きこむ
[メイン5] サーレー : 「パワーもスピードも オレの『クラフトワーク』の敵じゃあねェー……まだ向かってくる気かァ~~? なら一回ぐらい……目に物見せてやるぜッ!!! 『クラフトワーク』!」
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「触れても居ないモノを止める"アーツ"か…随分と強力な相手だな」
スタンドのヴィジョンは見えないながら、その能力を分析しつつ
[メイン5]
サーレー :
向こうが全て吐き出すまで
防御……そして『固定』ッ!!! さすがに全てとはいかねェー……が
オレの肉が抉られなきゃ大丈夫だ。
[メイン5] 戦術重装兵 : 「いくつか止まってはいない、が…」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「命中しなければ炸裂もしない、固定されている榴弾も爆発まで止まっている…」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「やつめ、雷管までしっかり固定済みか…!」
[メイン5] サーレー : 「さぁーてと……」
[メイン5] サーレー : 「おい テメーら…… とここからじゃあ声は届かねえだろうけどまぁいいか」
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「"アーツ"にしては消耗もない…強いな」
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「…?何か話している?」
[メイン5] サーレー : 『固定』した榴弾をいくつか
[メイン5]
サーレー :
トン
トン
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「…?」
[メイン5] サーレー : 「よぉーし……これで方向は定まったな。一つはそのわけのわからねェー兵器……そしてほとんどは……そっちにやるぜッ!」
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「榴弾を叩いている…?」
その一見すると不可解な行動に警戒を強める
[メイン5] サーレー : 「『解除』だッ!!」
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「ッ!」
[メイン5]
サーレー :
『固定』した榴弾をッ 『解除』ッ!!
先ほどモールス信号みてーに叩いた分、榴弾の方向が突然変わるッ!
一つはあのわけのわからねー兵器に。
[メイン5]
戦術重装兵 :
「打ち返したか…!多芸な"術士"め!」
盾を構えるが…
[メイン5] サーレー : そしてそのほとんどは……地上で見物してるあいつらにだ!
[メイン5] 破片 : 命令信号の通っていないドローンは、回避行動を取る事無く命中
[メイン5] 破片 : 精密機材の塊でもあるドローンはそのまま部品を大きく弾かせて、地に落ち
[メイン5] 戦術重装兵 : 幾つかの榴弾を纏めて返された部隊もまた、爆炎に吹き飛ばされる
[メイン5] サーレー : 「へへっ……ええ? 汚ねェー花火だな……おいッ!」
[メイン5] サーレー : 通用する。この世界でも『スタンド』は……。
[メイン5] 戦術重装兵 : 部隊はそのまま弾けるが…しかし
[メイン5] 戦術重装兵 : それは、役目である
[メイン5] 戦術重装兵 : 尖兵の死を察してか
[メイン5] ウォーゴースト : 素早く、本隊が接敵する
[メイン5] 戦術射撃兵 : 今度は先程の数を大きく越して、まさに部隊を作り
[メイン5] サーレー : 「!! こっちが本丸かよォー ギャングと違って兵隊は律儀かつしっかりとしてやがんな オイ!」
[メイン5] 戦術射撃兵 : 歩兵は足を止め、周囲の遮蔽物に姿を隠し
[メイン5] ウォーゴースト : 戦場の亡霊、死を望む悪鬼が
[メイン5] 破片 : 複数のドローンを引き連れてサーレーの元へ接近する
[メイン5]
サーレー :
速いなァ~~……ちょろちょろしてるだけならまだいいが……
こいつらも当然『攻撃』してくるだろうなァ~……
[メイン5] サーレー : さすがに数が数……この亡霊も『スタンド』か? だとしたらなおさら厄介だ。
[メイン5] 戦術射撃兵 : 無論見ているだけでも無く
[メイン5] 戦術射撃兵 : 歩兵達は進路を開くように無数の射撃を行い
[メイン5] 鉄砧 : 後方に要請されたドローンは陣形を構築している
[メイン5]
サーレー :
四面楚歌。にしてもこいつら……まさかあれで『個』かァ~~~?
誰か一人でも生き残ったらあらゆる願いを叶える力ってのを貰えるのかよォ~? オイ!
[メイン5]
サーレー :
と愚痴を心ん中で叩いてる暇もねェー
さすがにこれは正攻法となると オレもキツい
[メイン5] 戦術射撃兵 : そう、彼らの望みはすべて決まっている
[メイン5] 戦術射撃兵 : 傭兵になってまで、戦いに身を落とす
[メイン5] 戦術射撃兵 : 人であれば戦場から逃れる権利はあって尚
[メイン5] ウォーゴースト : 生きて殺して生きて殺して最後に死ぬ、それだけの為に
[メイン5] ウォーゴースト : 武器を取り、今も願いを戦いの為に戦い続ける亡霊の"個"なのだ
[メイン5]
サーレー :
フゥー、と白い息が上がると
ちょっぴり オレは覚悟を決める。こいつらは覚悟が決まり切ってやがりそうだ。
[メイン5] サーレー : ならオレも……ちと体を張らなきゃなァ~~~!!!
[メイン5] サーレー : 『解除』だッ!!!
[メイン5]
サーレー :
空中で靴を『固定』していた能力を解除し
銃弾の雨と、包囲をかいくぐるように落下する。
[メイン5] ウォーゴースト : 落下を確認し、亡霊が接近する
[メイン5] ウォーゴースト : 双剣を素早く敵に向けて、突っ込む
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』! 防御しろッ!!!」
[メイン5] : クラフトワークが『双剣』を「固定」する為に、殴りかかるッ!!
[メイン5] ウォーゴースト : 刃を突き立てるが、肉を裂く事は"無い"
[メイン5] ウォーゴースト : 目には見えない何かに防護され、刃が滑る
[メイン5] ウォーゴースト : そして、未知なる"アーツ"に殴り付けられた!
[メイン5] 戦術重装兵 : 「強い、強いな!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「あの男、卓越した"アーツ"を持っている」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「個では勝ちがたい…!」
[メイン5] サーレー : 「こりゃ驚いた……もしや……スタンドが見えてねェー……なッ!!!」
[メイン5] ウォーゴースト : 「…スタンド」
[メイン5] ウォーゴースト : 「"アーツ"の名称か…!」
[メイン5]
サーレー :
クラフトワークの拳が空を切り、再び「亡霊」に向かって拳を叩きこもうとすると同時に
「固定」した双剣を奪い取ろうとするッ!!
[メイン5] サーレー : アーツ……?
[メイン5] ウォーゴースト : 「…砲撃!」
[メイン5] 破片 : 周辺に展開されていたドローンが
[メイン5] 破片 : 同士討ちも躊躇う機能は機械には無く
[メイン5] 破片 : 砲撃を開始する
[メイン5]
サーレー :
考え事をしてる暇もねェー……!
『固定』と『解除』……この二つを繰り返して翻弄する他ないッ!!
[メイン5] ウォーゴースト : 「目には見えないのなら」
[メイン5] ウォーゴースト : 「数をもって相手する!」
[メイン5] ウォーゴースト : その号令と共に、亡霊は更に数を増す
[メイン5]
サーレー :
服でも、靴でも、いや人体そのものでも良い
『固定』と『解除』を繰り返し、同時にクラフトワークによる拳の応酬で
この銃弾と、亡霊の雨霰を掻い潜り続ける。
[メイン5] ウォーゴースト : 影が一つ二つと増えて行くが
[メイン5] ウォーゴースト : 目には見えない未知なる力に、確かに攻勢を搔い潜られる
[メイン5] ウォーゴースト : 「ならば…」
[メイン5] ウォーゴースト : 「貴様の固定、何処まで遠くまでできるか」
[メイン5] ウォーゴースト : 「"試して"みるしかないな」
[メイン5]
サーレー :
しかし……落下して着地は『固定』と『解除』で安全に行えてもだ……
こいつらをそれまでに処理しきれねェーと……!?
[メイン5] ウォーゴースト : 亡霊の一体が
[メイン5] サーレー : 試してみる……だとッ!?
[メイン5] ウォーゴースト : 腕を上げれば
[メイン5] 対装甲兵 : 周囲に展開していた部隊が
[メイン5] 対装甲兵 : 無反動砲を、サーレーの"周辺"に向けて
[メイン5] : ……その時。
[メイン5] 対装甲兵 : 爆音とともに、高速で打ち出す
[メイン5] サーレー : 「うおおおおおッ!!!」
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「…!」
[メイン5] サーレー : こいつらッ!! 『射程距離』を把握しようと……!?
[メイン5] サーレー : なんだッ!!?
[メイン5] サーレー : 悪寒。それとは裏腹に、突然熱っぽいぐらいにじんじんと熱くなる身体。
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「新手だッ!」
[メイン5] サーレー : 滝のように流れる汗。
[メイン5] サーレー : これは、まさしく嫌な予感というヤツだ。
[メイン5] サーレー : 少なくとも……『打開策』がそこらへんに降ってきたわけじゃあねェー
[メイン5] サーレー : むしろ……
[メイン5] サーレー : やばいッ!!
[メイン5] 対装甲兵 : 悪い予感、新手に意識を向いても
[メイン5] 対装甲兵 : 放たれた榴弾は止まらない!
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』!! 壁を……なるったけ防壁をッ!!」
[メイン5]
サーレー :
地面に拳を叩きつけて、土や石の破片が飛散し
それをなるったけ『固定』
[メイン5] 対装甲兵 : 榴弾は、地表に命中し
[メイン5]
デデーン :
[メイン5] 対装甲兵 : 辺り一面に爆炎をぶちまける!
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「…閃光!?」
[メイン5] デデーン : 同時に、あまりにも巨大な緑色の爆発が巻き起こる
[メイン5] 戦術重装兵 : 「規模が大きい…だがこれは"アーツ"なのか…!?」
[メイン5]
サーレー :
衝撃を殺し……きれないッ!!
が……また違う方向からの『爆発』ッ!!!
[メイン5] 奴隷 : 「あっ…シャモ星…」
[メイン5]
サーレー :
オレは……間一髪
いや……寿命が延びた、だけにも感じられる。今すぐにでも「固定」したいほどに早鐘を打ち続ける心臓。
[メイン5] ブロリー : 「やあ」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「星…!?」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「新手か…男」
[メイン5]
サーレー :
吹き飛びはしたものの、榴弾の威力からは逃れたようだ。
だがそれほど余波。……まさかあの上空に見える星のような物が……爆発したってのかッ!?
[メイン5] サーレー : そしてその爆発が……ここまで来たってのかッ!!
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「…これは!?」
[メイン5] 鉄砧 : 爆風の余波でドローンがふらつく
[メイン5] ブロリー : 「ブロリー、です」
[メイン5] サーレー : 「…………」
[メイン5] サーレー : まさか、この男が?
[メイン5] 戦術重装兵 : 「"ブロリー"…!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「名乗るとは、しかしそれに見合う実力はある…」
[メイン5] 戦術重装兵 : 陣形が一気に
[メイン5] 戦術重装兵 : 目の前の、遥かに巨大な男に意識を向ける
[メイン5] サーレー : ……ブロッコリーだか何だか知らねェーけどよォ~……こんな戦況で……こんなヤツが加わるとなったら……いや……少なくともこの兵隊共の陣形はオレに対する物ではなくなったッ!!
[メイン5]
サーレー :
咄嗟に、オレは兵隊の群れからさらに距離を取りつつ
クラフトワークを傍に佇ませ続ける。
[メイン5] ブロリー : 「ヘハハ!こいつらが親父ィの言ってた参加者ですかぁ?」
[メイン5] ブロリー : 「お前達が戦う意志を見せなければ、俺はこの星を破壊し尽くすだけだぁ!!!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「射撃!」
[メイン5]
戦術射撃兵 :
「サーイェッサー!」
部隊が男に集中して矢を放つ
[メイン5]
サーレー :
星を破壊し尽くす……だぁ……!?
しかしこいつ冗談を言っているようには見えねェー……!!! 逃げるか? 戦うか? まだオレは万全の状態
[メイン5] ブロリー : 「へああっ!?」
[メイン5] サーレー : しかしあの男の能力が未知数である以上は……『様子見』に徹するッ!!
[メイン5] 戦術射撃兵 : 「生身ならば仕留められるが…どうだ!?」
[メイン5] ブロリー : 無数の銃弾をその身に受けて……
[メイン5] 戦術射撃兵 : 生身かどうかは見た目把握しきれる事は無い
[メイン5] ブロリー : 「なんなんだぁ?今のは」
[メイン5] 戦術射撃兵 : 卓越した"アーツ"があれば、鉄の一片無くとも要塞に匹敵する、それが戦士だ
[メイン5] 戦術重装兵 : 「まるでウルサスの悪夢のような物を見ている気分だが…」
[メイン5]
サーレー :
……オレはマジのモールス信号を打って
助けを乞いたい気分にでもなってしまってやがる……今の光景は『現実』かァ~~!?
[メイン5] 戦術重装兵 : 「奴は"現実"か…!」
[メイン5] ブロリー : 「やっと戦う気になったようだが、その程度のパワーで俺を倒せると思っていたのか!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「集中砲火だ!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 号令を出せば、迫撃砲や榴弾がブロリーに集中する
[メイン5]
サーレー :
……胸板が厚いどころか もうその体躯の何もかもが鍛え抜かれて
膨張。今にも破裂しそうなほどに……こんなの相手にできるわけがねェー……が
ここで退いてもいつかはやられるだろう。
[メイン5] 戦術重装兵 : 近接信管に切り替えられたソレは
[メイン5] 戦術重装兵 : 直撃を待たず、ブロリーに爆炎を叩きつける
[メイン5]
サーレー :
潔く というわけでもねェー……けどよォ~~~
「あらゆる願いを叶える力」の目がなくなるのはつれェよなぁ~? ええ!
[メイン5] ブロリー : 「へああっ!?」
[メイン5]
サーレー :
…………あの爆炎の威力。クラフトワークの拳を何回ぶち込んだ分だ?
そんなことを考えながら 俺は屈みながら「ブロリー」の様子を見る。
[メイン5] 戦術重装兵 : 「飽和攻撃だ!相手を押さえつけろ!」
[メイン5] ブロリー : 爆炎から顔を出そうとして
[メイン5]
戦術重装兵 :
「仕留めなくてもいい、"アーツ"なら消耗するハズだ!」
号令が耐えず叫ばれる
[メイン5] 戦術重装兵 : 既に町一つ焼き尽くす火薬を使いつくした、この任務は"赤字"だ
[メイン5] ブロリー : それに対し、腕を振りかぶって
[メイン5] 戦術重装兵 : 「…!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 「耐衝撃準備!」
[メイン5] 戦術重装兵 : 男は盾を構える
[メイン5] ブロリー : 「でやあ!!!」
[メイン5] 戦術射撃兵 : 兵士もまた遮蔽に隠れるが──
[メイン5] ブロリー : ポーヒー
[メイン5] 戦術射撃兵 : 爆炎、閃光、衝撃
[メイン5] 戦術射撃兵 : 廃屋や鉄筋コンクリートの壁、土のうの山ですら
[メイン5] 戦術射撃兵 : "無いようなもの"と言わんばかりの、悪魔に等しい力と暴力を以てして消し飛ばされる
[メイン5] 戦術射撃兵 : それは、隠れていた兵士も等しく
[メイン5] 鉄砧 : 飛び交うドローンも灰燼に代わり
[メイン5]
サーレー :
気づけばオレは、内側に向かって両足をくの字にして
両の腕は前に出して、八の字を作りながらくしゃくしゃになるほど目を瞑っていた
[メイン5] サーレー : 「目撃」はしなかったが 何が起こったかぐらいはわかる
[メイン5] 戦術重装兵 : 最後に生き延びる男は、その刹那呟いた
[メイン5] 戦術重装兵 : 「化物が…ッ!」
[メイン5] サーレー : この肌に染みわたる熱気と、鼻孔をつんざくような灰塵の臭い……
[メイン5] サーレー : ものの十数秒で
[メイン5] : そして、陣形は灰へ
[メイン5] : 壊滅的な被害は、一瞬の閃光により齎された
[メイン5] ブロリー : 「オレが化け物?」
[メイン5] ブロリー : 「違う、オレは悪魔だ!」
[メイン5]
サーレー :
「……」
この破壊力……前代未聞にも程があるぜ……たった一人の人間が軍隊を一瞬で全滅させるほどの力を有しているわけだ
しかも十数秒で。
[メイン5] サーレー : だが……この破壊力……ほんのちょっぴりのチャンスしかないが
[メイン5] ブロリー : 「はっ、はははははははは…!うははははははははははは…!ははははははははははは…!」
[メイン5]
サーレー :
『固定』を使えば
こいつ自身を自滅させることだってできるんじゃあないか
[メイン5] サーレー : 接近できれば、の話だけどよォ~~……!
[メイン5]
サーレー :
が……この距離を詰められるか?
こいつのスピードは……あの巨躯を存分に振るえば
瞬き一つする暇もなく オレの面前にヤツの顔が目いっぱい広がっていることだろう
[メイン5] サーレー : そして……確実に死ぬだろうな
[メイン5] ブロリー : 「クズが、まだ生きていたのか」
[メイン5] サーレー : 「……!!」
[メイン5] サーレー : とうとう目をつけられたかッ!!
[メイン5] サーレー : 覚悟を決めろッ!! クラフトワークのスピードを……オレ自身が信じるコトだッ!!
[メイン5] サーレー : 過信しすぎるぐらいが ちょうどいいぐらいによォ!!
[メイン5] ブロリー : 舌をなめずる音が響く
[メイン5] ブロリー : 「さあ来い!」
[メイン5]
サーレー :
……周りに灰と還していない兵器はまだたゆたっている……
最後に送られた命令信号がどんなものかによるが……こいつらにも多少期待はしねェとな……
[メイン5] サーレー : 「……へっ 誰が行くかよォ~~!! 今のはどうやったか知らねェが……!」
[メイン5] ブロリー : 脚を踏み込んで、走り出す
[メイン5] サーレー : ごくっ、と固唾を呑み。
[メイン5] 鉄砧 : 緊急信号に対応してか、ドローンが補給物資をばら撒きながら飛び交う
[メイン5] サーレー : 「そっちから来いッ!!」
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』!! こいつの腕を「固定」しろッ!!」
[メイン5] ブロリー : 「!」
[メイン5]
サーレー :
ダメージは通らねェー……いや通っていたとしてもかすり傷程度か!?
だからオレが願うべきは……
[メイン5] サーレー : この『能力』は通っていてほしいコト……!
[メイン5] サーレー : クラフトワーク……!
[メイン5] : ……
[メイン5] サーレー : 『固定』できていてくれッ!!
[メイン5] ブロリー : 「ぬがっ…ぬがあ!!!」
[メイン5] ブロリー : 「動かん……!」
[メイン5] サーレー : 「うおおおおおおッ!!!」
[メイン5] サーレー : すかさずッ!!
[メイン5] サーレー : が……両足はさすがに……
[メイン5] サーレー : きついッ……!
[メイン5] サーレー : そう判断し オレは咄嗟に「ブロリー」から距離を取る。
[メイン5] サーレー : だが……腕は「その場で固定」したッ!
[メイン5] ブロリー : 「な、なんだこいつのパワーはッ!?」
[メイン5]
サーレー :
スタンドの能力は……「絶対」とは聞いたが
こいつにも通用するのか……だが腕だけだ……固定できたのは
[メイン5] サーレー : 不測の事態はいくらでも起こりようがある
[メイン5] サーレー : オレが何かの拍子で 意識が一瞬でも途絶えれば 強制的に「解除」される
[メイン5] サーレー : どうする……ここから……ヤツの足は「フリー」だッ!!
[メイン5]
サーレー :
固定した状態でも……あのわけのわからねえ「爆発」を起こせるなら
さすがのオレも地べたに額をこすりつけて……チクショー! と叫びたいぜッ!!
[メイン5] サーレー : 「おいどうしたッ!! どうやら腕がその場からピクリとも動かねえらしいな!」
[メイン5] ブロリー : 「うおあああああ!!!」
[メイン5] ブロリー : 口を開いて、その中に光を溜める
[メイン5] サーレー : 「なッ……」
[メイン5] サーレー : 「なんだとォ~~~~!!!!」
[メイン5]
サーレー :
こいつッ……!! 人間じゃあないッ!!
再認識したッ!! 腕を固定したぐらいで……だが頭部の可動域はあの化け物でも限られているッ!!
[メイン5] サーレー : 「うおおおおおッッ!!!!!!」
[メイン5] サーレー : ヤツの攻撃の「範囲」から逃れる為に、オレはヤツの背後に回り込むように駆けるッ!
[メイン5] ブロリー : 光線が、放たれる
[メイン5]
サーレー :
オレの身体は、光線から逃れはしたが
その余波によって、舞い上がる砂ぼこりに紛れるようにオレの身体も宙を舞う。
[メイン5] サーレー : 「クソッ……!!」
[メイン5] サーレー : だが……砂ぼこりのおかげで、ヤツは……こっちを見失っている可能性は高い……!
[メイン5] サーレー : 「気を探る」なんてドラゴンボールみてェーなコトされてなきゃなァ~~!
[メイン5] ブロリー : 相手が潜む煙の中から、すっと現れる
[メイン5] ブロリー : 「どこへ行くんだぁ?」
[メイン5] サーレー : 「な……!?」
[メイン5]
サーレー :
ふざけるなッ!! いや今は冷静になれッ!! わきあがる感情は
希望とやる気だけで十分ッ!
[メイン5]
サーレー :
オレに必要なのは打開策ッ! 自分で練り上げ
相手を「固定」する為のッ……!
[メイン5] サーレー : ……来い。もっとこっちに来い。
[メイン5] ブロリー : 「よく頑張ったが、とうとう終わりの時が来たようだな」
[メイン5] サーレー : その台詞に、肩がすくみ上る。
[メイン5] サーレー : もはや神にでも見下されている気分だった。生きた心地はもうしない。
[メイン5] サーレー : だが、俺は願う。もっとだ、もっと……
[メイン5] サーレー : もっとこっちに来やがれッ!
[メイン5] サーレー : こいつに……『スタンド』が悟られてないならッ!! 叩き込める……今度は……
[メイン5] サーレー : 左胸……!!
[メイン5] ブロリー : 「とっておきだぁ」
[メイン5] サーレー : とっておき―――?
[メイン5] ブロリー : 手に緑色の光弾を溜め、さらに踏み込む
[メイン5]
サーレー :
「まずッ……!!!」
いや……違うッ! これは……千載一遇ッ!
[メイン5] サーレー : 1d100<=50 (1D100<=50) > 35 > 成功
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』!」
[メイン5] サーレー : 「こいつの腕を……「固定」しろッ!」
[メイン5] ブロリー : 「へあああ!?」
[メイン5]
サーレー :
「うおおおおおッ!!!」
そして、ヤツの腕をぶん殴り……その手中の光の対象を……ヤツ自身にッ!!
[メイン5] サーレー : 「『解除』しろッ!」
[メイン5] サーレー : 「『クラフトワーク』ッッッ!!!!!!!!!」
[メイン5] ブロリー : 「くききき……」
[メイン5] ブロリー : 「うおおっ!?」
[メイン5] サーレー : 「やったか!?」
[メイン5] ブロリー : 「ばああかあああなあああああああああああ!!?」
[メイン5] ブロリー : 激しい光と共に、近くの壁を突き破りどこかへ吹き飛んでいく
[メイン5]
サーレー :
狙いは当たった……ヤツの破壊力をヤツ自身にぶつける……
へっ……その余裕綽々の「とっておき」をありがとよ……! ありがたく受け取ってやれたぜッ!!
[メイン5]
サーレー :
しかし……マジに疲れちまった……冗談じゃあねえ
あの強敵を倒した途端に どっと疲れが押し寄せる
[メイン5] サーレー : もはや、傍から見ればオレはへたり込んでいるようにも見えるだろう。
[メイン5]
サーレー :
まさか、こんな所に美味しいところだけをいただこうと
オレにトドメを刺しに来るようなヤツだっていないだろう。
[メイン5] サーレー : オレは、そのまま地べたに豪快に仰向けになり、肺を傾けるように息を吐きだした。
[メイン5] サーレー :
[メイン5]
ブロリー :
[メイン5] ブロリー : 「カニ……ロットォォ……」
[メイン5] ブロリー : 悪魔が、よみがえる。現れた多数の気配に応えるように。
[メイン5] ブロリー : 「カニロットオオオオ!!!!」
[メイン5] ブロリー : 「カニロットはどこだああああ!!!」
[メイン5]
ブロリー :
ゆっくりと浮かび上がり、四方八方へ気弾を放つ
この世界全体を焼き尽くすように
[メイン5] ブロリー : 「カニロット……まずはアイツから血祭りにあげてやる」
[メイン5]
ブロリー :
悪魔は飛ぶ。
もう、付け狙う相手はこの世界にはいないことを知らず。
[メイン5]
ブロリー :
[メイン5]
ブロリー :
[メイン5] ブロリー : 「カニロットォ……」
[メイン5] ブロリー : あてもなく悪魔が彷徨う
[メイン5] ブロリー : 「何処だ……カニロットは」
[メイン5] 弾幕種 : その人影を捉えた副王の護衛が、声も無く銃口を向ける
[メイン5] ブロリー : 「!」
[メイン5] 弾幕種 : 素早く連射し、鋭い針のような弾丸が無数に発射される
[メイン5] ブロリー : 「お前などに興味はない!」
[メイン5] 弾幕種 : 意思のない護衛は、その声に応えることなく攻撃を続ける
[メイン5] ブロリー : それを、防ぐ素振りすら見せずに弾き
[メイン5] ブロリー : 振りかぶる。
[メイン5]
デデーン :
[メイン5] 弾幕種 : バキリ、と生物の響かせるはずのない音が鳴り弾け飛ぶ
[メイン5] 砲撃種 : しかし、護衛達はその敵意に反応して幾重にも増えていく
[メイン5] 副王種 : 副王の展開したターレットが、ブロリーに対して砲撃を開始する
[メイン5] ブロリー : 「フフフフフフ、大人しく殺されていれば痛い目に遭わずに済んだものを…」
[メイン5] ブロリー : それを見て飛び上がり、大きく振りかぶって
[メイン5] 砲撃種 : 護衛達が前に立つが
[メイン5] ブロリー : 「へっへっへっへ、ふんっ!」
[メイン5] ブロリー : それを焼き払い、巨大な光の柱を立てるように
[メイン5] 砲撃種 : 光が散っていく、破壊された護衛が弾け飛び
[メイン5] ブロリー : 「はははは!!!」
[メイン5] 副王種 : 副王もまた、異常な技術の材質ですら、圧倒的な力を以て破壊されて
[メイン5] 副王種 : 副王は、ここに失墜
[メイン5] ブロリー : 「終わったな…所詮、クズはクズなのだ」
[メイン5] 副王種 : 完全に沈黙し、生産プラントから這い出ていた護衛達もまた
[メイン5] 副王種 : 王を見送るように光の粒に散っていく
[メイン5] ブロリー : 「……カニ、ロットォ」
[メイン5]
ブロリー :